米国報告②ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ






 
こんにちは、FPの工藤です。
 
10月に米国訪問した大きな目的の一つは、ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ(DFA)のコンベンションへの参加でした。
 
当コンベンションには、全米からDFAが運用するファンドを取り扱うRIA(投資顧問業者)が集まり、2日間に渡り、運用知識、アドバイザーとしての心得など、計12時間にお及ぶセミナーを受講します。そこに私たちも参加させて頂いたというわけです。
 
オースティンに本社を構えるDFAは、今急成長しているファンドの一つです。そして、その運用理念、販売方法がとても独特です。
 
 
【学術的理論を基にした運用理念】
DFAの運用理念は、2013年にノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のユージン・ファーマ教授の投資理論を基にしています。学術的理念を実際の投資に活かし、パフォーマンスを上げているという点でとても特徴的です。
 
ユージン・ファーマ教授の代表的な理論には、以下のものがあります。
・効率的市場仮説:市場では常に利用可能な情報が価格に組み入れられており、完全に効率的である。つまり、特定の投資方法により超過リターンを得ることはできない
 
・3ファクターモデル:簡単に言うと「株式の方が債券よりも期待収益率が高い」「小型株の方が大型株よりも高い収益性が見込める」「割安株の方が成長株よりも期待収益率が高い」というもの。
 
これらの理論を参考にしファンド構築をしている運用会社はあるのかもしれませんが、DFAでは、実際にユージン・ファーマ教授自身が会社の取締役でもあり、ファンド構築のアドバイスなどを行っているというのです。
 
私も大学院のときにこれらの理論を少しかじりました。しかし、学術的な理論には様々な仮定が設定されており、そこで提唱しているモデルが実際にどこまで現実のマーケットにおいて有効なのだろうか、どこまで使えるものなのだろうか、といつも思っていました。
 
ところが、その学術的理論が実際に運用会社の中で厳密に再現されており、しかも、そのパフォーマンスがとても良く、米国において急成長しているファンドがある! 
 
私にはとてもとても驚きでした。
 
今回私たちが参加したコンベンションには、ファーマ教授自身は来られませんでしたが、シカゴからスクリーンでリアルタイムに参加され、参加者と質疑応答などを行っていました。
 
 
【研修をうけたRIAを通してのみ個人に販売】
米国では、DFAが運用するファンドを個人が購入する場合は、RIA(Registered Investment Advisor)といわれる個人向け投資顧問業者を通してのみ可能です。
 
しかも、ファンドを取り扱えるRIAは、DFAの運用理念を理解し、研修を受けた者のみとなります。
 
RIAとは、投資家の資産残高に応じたフィーをいただき、資産運用のサポートを行うファイナンシャル・アドバイザーのことです。投資家の側にたったアドバイスをすることを理念とし、FPの国際資格であるCFP®を保有している人が多いのが特徴です。
 
なぜ、そのような販売方法をとるのか?
 
それは投資家もRIAもDFAも、皆がWin Win Winとなるシステムだからです。
 
投資家:RIAから資産形成のための適切なアドバイスを受けることができ、適切なファンドに投資することができる。マーケットの変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成をすることができる。
 
RIA:DFAから資産運用、マーケティング、コンサルティングなどの様々な研修、教育、情報を受けることができ、コンサルティングの質をあげることができる。また、投資家の資産に、DFAのパフォーマンスのよいファンドを組み入れることができ、投資家の資産形成をより効率的に行うことができる。
 
DFA:RIAを通して投資家にファンドを提供することにより、マーケットの変動により運用資産残高が極端に左右されることなく、安定したファンドの運用を行うことができる。
 
DFAが運用するファンドはインデックス運用ではなく、αを狙うアクティブ運用です。しかし、システム売買が中心であり、コストを非常に低く抑えています。
 
実際に運用しているディーリングルームも見学させていただきましたが、グループ全体で5480億ドル(1ドル=110円として60兆2,800億円!)という資産を運用しているにもかかわらず、見渡せる程度のスペースでディールを行っていました。
 
 
【素敵なオフィス】
そして、オフィスがまたまた素敵なのです。
 
オフィスはオースティンのダウンタウンから車で15分ほどのところ。周りは緑に囲まれ、広々とした庭園もあります。社員が利用するおしゃれなカフェレストランもあり、とにかく、何もかもが広々していました。
 
社内も有名なデザイナーがデザインしているとのことです。外資系企業というのは、オフィス空間のデザインにとても気を遣っていますよね。それが社員のモチベーションアップにもつながるのかもしれません。
 
 
最後に、このような機会を与えてくださったディメンショナル・ジャパンの皆様、ありがとうございました。