金融緩和の効果、リチャード・クー氏講演会より


2014年12月5日(金)

野村総合研究所主席研究員、リチャード・クー氏の講演会に参加してきました。

タイトルは「バランスシート不況からの脱却と量的緩和の罠」。

 

日銀は現在、2%のインフレ目標を達成するため、マネタリーベースを年間80兆円増やす、としています。

そのために市場から国債や上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)を購入し、世の中に出回るお金の量を増やす、という金融緩和政策を行っています。

一方、米国は、2008年11月から続いた金融緩和の終了を今年の10月に決定しています。

 

では、金融緩和の効果はどうなのか。

リチャード・クー氏によると、米国、欧州、日本のマネタリー・ベース等を数値は以下の通りです。

 

◆金融緩和の効果について

(米国)2008年8月を100とすると、

・マネタリー・ベース(中央銀行が供給する通貨の量):2014年は450

・M2(現金預金と国内銀行に預けられた預金量):2014年は149

・商業銀行のローン・リース残高:2014年は107

 

(欧州)2008年8月を100とすると、

・マネタリー・ベース:2012年4月に195まで膨張、その後減少し2014年は133

・M3(現金通貨+全預金取扱機関に預けられた預金量):2014年は111

・ユーロ圏向け民間信用:2014年は97

 

(日本)1990年1-3月期を100とすると

・マネタリーベース:2014年は704

・M2:2014年は190

・国内銀行貸出金:2014年は109

 

これらの数字が何を意味しているかというと…

結局、中央銀行がお金を供給しても、実経済にはほとんど回っていない…

 

様々な専門家の方からも、金融緩和の効果を疑問視する声が上がっています。

日本の金融緩和も、日銀の総資産を膨張させているだけで、

物価上昇圧力、経済活性化効果はない…???

今後も金融緩和の市場及び実経済に与える影響について、注視していく必要がありそうです。